インド紅茶の魅力
インドは、世界で最大の紅茶の産地です。
北インドのダージリン地方、アッサム地方、南インドのニルギリ地方、などが有名です。
紅茶の生産量は、2位以下の、スリランカ、ケニア、インドネシア、中国に比べてかなり多く、
2位のスリランカの3倍近い生産量を誇る国です。
インド紅茶は、その味と香りに特徴があり、
紅茶の女王様と呼ばれるほど、最高級の味と香りの紅茶が産み出されています。
ストレートで飲んでも、その味と香りの気品高さがあふれる紅茶です。
また、アッサム地方は世界最大の紅茶生産量の「地域」であり、インド国内の紅茶の、半分近い量がここアッサム地方で採れます。 アッサム地方で採れるアッサムティーは、ミルクティーに最適で、コク、味ともに、ミルクと合うしっかりとした紅茶で有名です。
ニルギリ地方で採れるニルギリティーは、アイスティーにしてもクリームダウンすることなく、
なのに紅茶の味も美味しく味わえることで人気です。
ダージリンのような渋みもなく、アッサムのような濃さもないため、
ストレートでもおいしいのですが、フレーバーティーとして香りをつけたときに邪魔をしないため、
フレーバーティーとしても人気です。
ダージリン
インド北東部西ベンガル州北部のダージリン地方で生産される紅茶のことをおもにダージリン(紅茶)とよばれています。
ダージリンが生産される茶園は標高の高いころにあります。朝昼の寒暖の差が激しいため、霧が良く発生し、その 空気中の水分を茶葉がとりこむため、新芽が多く養分がたくさんとりこまれた茶葉ができあがり、香りと味わいが 深い紅茶が生産されるといわれています。
高級なダージリンにはマスカテルフレーバー(マスカットフレーバー)と呼ばれる特徴的な強く甘い香りがあり、 この香りの良し悪しが茶葉の価値を決めているといっても過言ではありません。 ダージリンは、「紅茶のシャンパン」とも呼ばれ、セイロンのウバ、中国のキーマンと並び世界の三大紅茶といわ れています。
アッサム
19世紀初頭までお茶は東アジアに限定された植物とみなされていましたが、1823年アッサム地方に交易開拓 に来たイギリス人・ロバート・ブルースが野生の茶樹を発見しました。これがアッサムのはじまりで、中国以外の地で栽培できる茶樹として注目され、1839年、イギリスにはじめて輸出され、以降インド紅茶を代表する品種としての地位を確立しました。
香りは甘く、濃いオレンジ色の水色が美しいアッサムの紅茶。世界の紅茶生産量の半分を産出し、それを支えるのが広大な平野の茶園は、チャイに好適な銘柄といわれています。インドでは、CTC製法の茶葉が主に使用されています。 アッサム地方はヒマラヤ山脈の麓に位置し、湿った季節風が山々にぶつかり大量の雨が降ります。この水量がアッサム特有の渋みを作り出すといわれています。
ニルギリ
南インドにある西ガーツ山脈の南部でつくられる紅茶の総称で、タミルナドゥ州にあります。
現地の言葉でニルギリのことを"青い山"というため、紅茶のブルーマウンテンとも表現されることがあります。
ダージリン、アッサムと並んでインド紅茶の三大産地に数えられています。
南インド産の紅茶。標高2000mにあるニルギリの丘の、184,000ヘクタールもの広大なクローナルエリア(優秀な茶樹のみを接木してつくる極上の栽培方法のエリア)にて栽培された、最高級の認定オーガニック栽培の紅茶です。 えぐみが少なく、クセのない、どこか緑茶の趣も感じられる、日本人好みのテイストの紅茶です。
魅惑のインド
インドは日本の9倍の面積をもつ広大な亜大陸です。
EU27か国を合わせたより、一回り小さいくらいの大きさです。 とにかく広い国ですから、地図上で近くの目的地に電車や バスで移動するときでも、夕方列車に乗り、朝着くというように、車中泊が一般的です。 また、タクシーなどでも、7時間から8時間乗り続けるのが普通です。
熱帯の美しい海岸線から乾いた砂漠、ヒマラヤ山脈の山岳地帯とそこから湧き出る多くの河川と湖とバラエティーに富んだ豊かな自然がそこにあります。
そして、多種多様な民族と宗教、5000年の歴史に支えられたインドの哲学や文化が作り出した数多くの遺跡など、底の深さは計り知れません。
一般的にインドは「喧騒と貧困の国」また「神々と信仰の国」だとも言われています。
実際にインドに行ってすぐに目にできるぐらい日常的な光景です。
空港を一歩でた途端に、おびただしい騒音と人の数、人々の叫び声、砂ぼこり、多様な匂い、強い日差し、道端にある様々な神様、ヒンズー寺院、色の洪水、多様な価値観と生き方が渦巻いている人間臭い混乱のど真ん中に突入していきます。
現在約12億の民が生活している場所であり、言語も40以上あります。都会に住んでいる人や教養のある人は英語を話すことができますが、田舎などでは現地の言葉ですので、身振り手振りで会話をします。
いろいろな人間の原型のオンパレードであり、聖者から物欲の塊のような人、怪人物、良心的な人と様々な人々の中で、日本人としての価値観が崩れ、新たな価値観に目覚めることでしょう。
民族最大の特徴は、幾千年にわたり数多の聖者、賢者、預言者が生まれた宗教の国です。ヒンドゥ教徒が80%占めるヒンドゥ民族の国でありますが、その他キリスト教、イスラーム教など様々な宗教が自由に信仰されています。 日本人の多くが信仰している仏教ですが、インドはその仏様が生まれた所です。
インド人にとって、ブッダはヒンドゥ教から悟りを開いたので、ヒンドゥ教の聖者の一人(10の神の化身)として崇められています。
この宗教の国に、横たわる丘、山々、河、湖、町々は宗教と繋がり浄められてきました。国中に散在するこれらの聖地は、インド全域を聖なる国と化せしめたのです。
幾世記にわたり、無数の巡礼者たちがインド各地から、訪れ、往き交わりました。 インドの人々にとって、宗教は人々の生命の源泉であります。今日でも、小さな子供から老人まで、街角にある神々の像や寺院に参拝している姿を、一日中目にすることができます。 その光景を目にすることで、日本人の信仰心とインド人の信仰心の深さの違いを目にするでしょう。
また、インドは、他国の観光とちがい、悠々とした時の流れが存在します。最低でも一月かけて旅行をするのがお勧めです。そのゆっくりとした時間の中で、今までの自分の内面を見つめるためにも最適な国でしょう。 町と町を結ぶ、バスなどは、出発時刻があっても、いつ出発するかわかりませんし、電車も時刻表はあっても、日本みたいにオンタイムは、まずありません。一日、二日遅れも日常的です。(最近は時間通りに来る電車も増えました)
日本にいるときのような、時間に縛られセコセコした生活を見直すにもとても貴重な体験です。
インドのジョークに、インドには3つの季節があり、それは、ホット、ホッタ―、ホッテストといわれていますが、暑いだけの国ではなく、北にはカシミール地方やヒマラヤの山岳地帯があり、東には紅茶の産地で有名なダージリン地方、南にはこちらも紅茶の産地として有名なニルギリ山地にあるウーティがあります。
ここは、イギリス統治時代の建造物が数多く残されており、さわやかな高原リゾートとして多くの人々が夏の時期に訪れます。
インドは4月から夏が始まり、デリーやコルカタなどは40度、50度に気温が上昇します。 しかし、ダージリンなどの高地は17度ぐらいで、朝、晩は、セーターが必要なぐらい過ごしやすい場所です。
国内線でコルカタやデリーから約1時間半で行くことができます。
インドを食べる
また、食べ物の種類の多さにも驚きます。貧しい国というイメージがありますが、町々にあふれている、スパイス、魚、肉、野菜、米、果物類の多さには、びっくりします。
インド人の主食は、カレーと思っている人もいますが、カレーライスはインドにはありません。 日本の味噌や醤油と同じで、調味料に多種のスパイスを使います。
日本人が、卵焼き、豆腐、煮込み、炒め物、に味噌、醤油、塩を使うのと同じで、インド人も、卵、野菜、肉などにスパイスを使います。そのスパイスを使った料理の総称をカリーといいます。ですから、魚カリー、野菜カリー、肉カリー、豆カリーといろいろありますし、お店の味、一般家庭の味、僧院の味とすべて違います。 日本と同じ関西、関東でも味か違うように、北と南、西と東、では種類も味も違います。 このように、いろいろな地域の食文化を味わうのもインドの楽しみです。 そして特にお勧めなのが、果物です。
インドには、日本では見かけない果物が沢山あります。たとえ、日本で売っていても、ジュースだったり、冷凍だったり、缶詰だったりしますが、ここでは、新鮮な状態で買うことができます。
4月から6月あたりは、インド人も大好きなマンゴーの季節です。何10種類ものマンゴーが、市場や街角のあちらこちらで売られています。大体一個30円ぐらいです。
このマンゴーは日本には輸入されていないので、現地で食べるしかありませんが、このマンゴーを食べるためだけにインドに訪問しても、決して後悔しないくらいの美味しさです。
霊性の国インド
昔からインドはとても多くの資源がある豊かな王国でしたから、紀元前から近隣の貧しい国々に何度も侵略され、貴重な文化や遺跡などが破壊された歴史があります。 そして、ヒンドゥの輝かしい文化を生み出したのは、彼らの宗教でした。 昔から高度の絵画、彫刻、建築、音楽、詩を生み出しました。そして彼らは、文法、言語学、論理学、哲学、政治学、天文学、医学(アーユルヴェーダ)の各分野で貴重な業績を後世に残しています。そしてこれらすべての根は宗教でした。
数字のゼロを発見したのはインド人ですが、ビートルズに影響を与えた、シタール奏者のラビ・シャンカールやアジア初のノーベル賞をとった、ラビンドラナート・タゴールなどが日本でも有名です。 そして、日本でもアーユルヴェーダや占星術、ヨーガなどがブームになっていますが、それらは全て世界最古の聖典ヴェーダからの知恵によるものです。
このように霊性の国インドでは、世俗的な生活と霊的な生活を調和させながら、多くの人々が生活しています。 その人たちの夢の一つに聖地巡礼があります。
インドは神聖なる国ですが、特にその浄らかさが多く現れている場所があります。日本的にはパワースポットですね。
北は、ガンゴートーリ、リシケシ、バドリナート、ハリドワル、アラハバード、ベナレス、オームカレーシュワル、南は、マドゥライ、カーニャクマリ、ラーメシュワラム、プリ、カンチ―プラムなどたくさんの巡礼地があります。
その中でも3000年の間ほとんど変らない聖地があります。ヒンドゥ教最大の聖地ベナレス(カーシ―)です。そこは、町全体が聖地であり、ゴミ一つでも神聖とされるところです。太古からこのガンジス河で多くの聖者が霊性の修業を行ってきました。
そして、ヒンドゥ教徒はここで死を迎えると、シヴァ神のところ行けると信じています。 ベナレスでは、24時間365日、死体を焼くところがあり、死体が運ばれ灰にされ、ガンガーに流されます。ですからこの町では、生と死を毎日のように垣間見ることができます。
このように、衣・食・住から始まり、伝統、文化、宗教、哲学、倫理、すべてが桁違いの迫力のある国がインドです。一度訪れると必ず魅了されることでしょう。
コンパスでは、インドの魅力を皆様と分かち合えるのを楽しみにしております。そしてインドの紅茶を通して、日本とインドの関係がもっと深くなるようなお手伝いができれば幸いと思っております。